50代から始まる加齢性難聴

年齢とともに耳が遠くなるのは、それほど珍しいことでもないようですね。

自分が子どもの頃は祖父母がそうでしたし、自分が大人になった今は、高齢になった両親がそうなのですが、こうした年齢が原因の難聴を加齢性難聴と言うそうで、いわゆる老化現象の一つのようです。

ただ、耳の老化は20歳を過ぎたころから少しずつ始まると言われているそうで、早い人は50歳頃から加齢性難聴の症状が現れる人もいるようですので、おかしいと感じたら、早めに医師に相談したほうが良さそうです…

と、そんな加齢性難聴ですが、特に高齢者の加齢性難聴は心配なところがありますね。

例えば、外出するときに周囲の音が聞こえないと、自動車のクラクションや自転車のベルの音が聞こえず、危険な思いをするかもしれませんし、場合によっては、事故が起こるかもしれません。

また、他人の言葉が聞こえないと、コミュニケーション意欲が低下してしまい、場合によっては認知機能に支障が出るかもしれませんし、痴呆症になれば、周囲に負担をかけることになってしまいます。

自分の両親も、今のところはまだ大丈夫かと思うのですが、そういうことにならないように、できれば早めに補聴器をつけてほしいと思っているのですけどね。

ただ、補聴器の話しは嫌がられますね。つけるのが面倒くさいということもあると思うのですが、老化を認めたくないという気持ちも多少はあるのかと思います。

無理強いするのはどうかと思う反面、互いにイライラやストレスを感じる前に補聴器をつけてもらったほうが良いという気持ちもあり、どうしようかと迷っています。

また、こうしたことは、自分も含めて誰にでも起こることだと思いましたので、加齢性難聴の原因や症状、予防などについてまとめておきました。

さ行・か行・は行の子音の聞き間違いが増えたら、要注意かもしれません。

 

加齢性難聴の原因

加齢性難聴は、内耳にある「蝸牛」(かぎゅう)と呼ばれる部分にある細かい毛をもつ「有毛細胞」(ゆうもうさいぼう)が、折れるなどして壊れてしまうことで起こるそうです。

音は振動になって有毛細胞に伝わり、有毛細胞はそれを電気信号に変えて脳に伝えているそうですが、加齢によって有毛細胞が壊れてしまうと、音を認識できなくなってしまうようです。

 

加齢性難聴の症状

加齢性難聴は、突発性難聴のように片耳だけに起こることはまれで、両耳が同じように聞こえにくくなる場合がほとんどと言われているようです。

また、内耳の蝸牛にある有毛細胞は、蝸牛の根元にある振動回数の多い高い音を聞き取る部分から壊れていくため、高い音から聞こえにくくなるそうです。

そのため、振動回数が多い「さ行・か行・は行」などの子音が聞き取りにくくなるそうで、例えば、「佐藤さん」と「加藤さん」が聞き分けられなくなるということです。

もし、こうした聞き間違いが多くなったと感じた場合は、加齢性難聴の可能性がありますので、早めに医師に相談したほうが良さそうですね。

 

加齢性難聴の予防

加齢性難聴は、加齢によって起こるため、完全に予防することはできないそうです。

ただ、日頃から血流を良くするようにしたり、大きな音を避けることで、その進行を遅らせることはできるそうです。

耳の中の血管は非常に細く、血流障害が起こると有毛細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなり、それらが壊れやすくなるそうですので、加齢性難聴を予防するには、血流障害を起こす原因になる高血圧や高血糖、高コレステロール、糖尿病などの生活習慣病を防ぐことが大切とのことです。

また、大きな音によって起こる振動は、有毛細胞を大きく揺らすため、有毛細胞が壊れる原因になりますので、日頃から大音量や騒音を避け、耳を酷使しないことが大切だそうです。

特に、ヘッドホンを使用する携帯型音楽プレーヤーなどを使用する場合は、音量が大きくならないようにする必要がありそうですね。

 

加齢性難聴を防ぐ生活習慣

・テレビやラジオはつけっぱなしにしない。

長時間視聴すると音に慣れてしまうということかもしれませんが、より大きな音を求めるようになってしまうそうです。

・鼻を強くかまない。

鼓膜を痛めやすいそうです。

・糖尿病を予防する。

糖尿病患者は難聴になりやすいという研究報告があるそうです。糖尿病が原因で高血糖状態が続くと、血管が傷ついて血流障害が起こるということかもしれません。

 

聞こえにくいと感じたら専門医に相談を

聞こえにくいと感じたら、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。難聴の原因を調べるには、耳の診察や聴覚検査が必要ですが、そうした診察や検査には、耳鼻咽喉科の専門医が対応してくれるそうです。

 

加齢性難聴には補聴器が効果的

加齢性難聴は、内耳から脳までのどこかの神経機構の感度が低下する「感音難聴」のため、よく聞こえるようにするには補聴器を使用することが一番です。

「補聴器は格好が悪い」などと敬遠されがちですが、耳の穴に隠れる小型のものもありますし、聞こえやすく音を処理する機能のある補聴器もありますので、自分に合った補聴器を選ぶと良いと思います。

ただし、補聴器を着けたからといって、すぐに良く聞こえるわけではありません。音は大きく聞こえるようになりますが、雑音も大きくなるため、言葉だけがはっきり聞こえるというわけにはいかないためです。

始めのうちは静かな場所で使用し、少しずつ騒がしい場所でも使用してみる。また、使用時間を少しずつ延ばしながら、補聴器に慣れるトレーニングが必要です。

専門家の指導や家族の協力を得ながら、焦ることなく使用を続けると良いと思います。

また、人はコミュニケーションの中で生きていると言っても良いくらい、人にとってコミュニケーションは重要なものです。

便利なものを活用しながら暮らすことは、決して格好が悪いことではありませんので、補聴器を使って新しい音の世界を体験してみると良いと思います。

 

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