新語もいつかは死語になる

自分が若い頃はこう言っていたのに、今の若い人はこう言うんだなあと思うことや、ちょっと前まで流行っていた言葉なのに、いつの間にか使われなくなったなあと感じることって、そこそこありますよね。

時代とともに言葉も変わると言いますが、それはすなわち、新語という新しく生まれくる言葉があれば、死語という死にゆく言葉もあるということであり、また、その意味で、言葉は生き物でもあるということなのかもしれませんね。

 

新語の誕生から死語になるまでの流れ

さて、そんな新語に死語ですが、いきなり新語が誕生するわけではなく、その前に、新しい物事や概念の登場という、新語が誕生するきっかけがありますよね。

そして、登場した物事や概念をうまく表現する言葉がないとか、表現する言葉はあるものの、その言葉では面白味に欠けるといったことがあると、そこで新語が誕生するわけです。

これまでも、既存の言葉を組み合わせてみたり、組み合わせた言葉を省略してみたりすることで、様々な新語が誕生してきました。

しょうゆ+顔=しょうゆ顔

ナウ+い=ナウい

写真つきメール→写メ

そして、そうやって誕生した新語をマスコミが取り上げると流行語になり、SNSで拡散されると若者言葉になるわけです。

また、飽きられたり、新語が誕生するきっかけになった物事や概念が無くなったり、新語に代わる新語が誕生すると、それまで使われていた言葉は死語になります。

 

新語の誕生から死語になるまで

新語の誕生から死語になるまで

 

バルブ景気の頃の流行語

今は死語になっている言葉で、個人的に強く印象に残っている言葉の多くは、バブル景気の頃に誕生した流行語ですね。

当時は、女性のファッションや生活習慣に関わる言葉や、女性に下心を抱く男性に関わる言葉が多かったような気がします。

「ワンレンボディコン」

当時の女性の間では、そんなファッションが流行していましたね。個人的には、肩パットの入った上着が印象に残っています。

「朝シャン」

また、若い女性の生活習慣として、朝シャンも流行っていましたね。

「アッシー」

女性からの電話で駆けつけて、女性を自家用車で送迎する男性を指す言葉で、女性の「足代わり」なので「アッシー」「アッシーくん」です。

「メッシー」

女性によく食事を奢らされる男性はこう呼ばれていました。飯を奢るので「メッシー」「メッシーくん」です。

「貢ぐ君」

女性にプレゼントを贈らされる男性は「貢ぐ君」と呼ばれていました。かなりストレートな表現ですよね。

「イタメシ」

イタリアンの食事(飯)で「イタメシ」ですね。バブル景気の頃は、イタリアン・レストランが流行っていました。メッシ-くんが女性に食事を奢る場所も「イタメシ屋」でしたよね。

 

2000年頃の流行語

また、2000年頃には、携帯電話やインターネットに関する新語が目立ちましたね。

「写メール」

カメラ機能付きの携帯電話の登場がきっかけで誕生した新語です。「写真付きのメール」で「写メ」「写メール」ですね。また、写メを送信することを「写メる」と言っていました。

「着メロ」

着信メロディーですね。「着うた」という言葉もありました。

「IT革命」

情報技術の活用が社会に大きな変革をもたらすことを指す言葉ですね。デジタル化の歴史にとって象徴的な出来事でした。

 

その他いろいろ

また、これ以外にも様々な流行語がありましたね。

「ピッチ」

安価に使える携帯電話だったPHSが「ピッチ」と呼ばれていましたよね。電子ゲームの「たまごっち」を内蔵した「たまぴっち」なるPHSもありました。

「モバブ」

今はモバイルバッテリーという言葉が一般的ですが、少し前は、モバイルブースターと呼ばれていました。略して「モバブ」です。

競合商品が少ない中、「eneloop mobile booster」というモバイルバッテリーが注目されたことがきっかけで、「モバブ」と呼ばれるようになったようです。

「○○なう」

今自分が何をしているのか、どこにいるのかなどを表現する際、語尾に「なう」と付けてツイートする文化がありましたよね。2010年頃だったかな。

 

死語を使うと嫌われやすい

また、死語に対するイメージは人それぞれだと思いますが、特に若い人の中には、「死語を使うのは恥ずかしいこと」「死語を使う人とは絡みたくない」と思っている人がそこそこいるような気がしますね。

流行に敏感な若い人ほど、流行遅れを避ける傾向がありますので、死語という流行遅れの言葉を使う人も避けられるということなのかもしれません。

若い人と話しをしていて、「あれ?ちょっと空気が変わったかな?」と感じたら、それはあなたが何気なく使った言葉が死語だったのかもしれません。