年賀はがきの発行枚数の推移 (2024年)

減少が続いている年賀はがきの発行枚数ですが、来年用(令和7年用)の年賀はがきの発行枚数は、前年比マイナス25.7%の10億7,000万枚になったようですね。

この10億7,000万枚という数字は、当初発行枚数ということですので、売れ行きによっては増刷されて数字が増えるかもしれませんが、それでも前年を上回る数字にはならないでしょうね…

 

年賀はがきの発行枚数の推移

ということで、初のお年玉付き年賀はがきが発売された昭和24年(昭和25年用)から、現在(令和7年用)に至るまでの発行枚数の推移をグラフにしてみました。

年賀はがきの発行枚数の推移グラフ

年賀はがきの発行枚数の推移グラフ

グラフの作成に使用した発行枚数は、日本郵便のプレスリリースなどから引用しましたが、多少の増減を繰り返してはいるものの、全体としてはきれいな山型のグラフになっています。

また、発行枚数のピークは、平成15年(平成16年用)の44億5,936万枚ですが、初のお年玉つき年賀はがきが発売された昭和24年(昭和25年用)の発行枚数が1億8,000万枚でしたので、半世紀で約25倍にまで増加したことになります。

日本人の人口を1億2,000万人とすると、ピーク時は、国民1人あたり約37枚の年賀はがきが利用されていたことになりますね。

そして、今年(令和7年用)は10億7,000万枚ですので、ピークから20年の間に、発行枚数は4分の1にまで減少したことになります。

 

団塊の世代と年賀はがきの発行枚数の関係性

また、グラフに「A」「B」「C」の3つの赤い文字がありますが、これはそれぞれ、以下の通りです。

A: 団塊の世代が就職した頃

B: 個人情報保護法が施行された頃

C: 団塊の世代が定年を迎えた頃

団塊の世代とは、戦後の昭和22年(1947年)から24年(1949年)にかけて生まれた世代のことですが、その世代が就職し始めたのが昭和40年(1965年)頃で、定年を迎え始めたのが平成19年(2007年)頃なのですよね。

そして、グラフからは、年賀はがきの発行枚数が団塊の世代が就職した頃から増加し始め、定年を迎えた頃から減少し始めていることがわかりますので、両者に相関関係があるとまでは言えないにしても、多少は影響する関係にあったような気がします。

また、グラフが緩やかに右肩上がりしたあとに、急激に右肩下がりになったのは、2005年に施行された個人情報保護法の影響がありそうですね。

個人情報保護法の施行にあわせて、住所録を無くした会社や学校もあると思いますが、そうしたことが、グラフが急激に右肩下がりになった原因の一つではないかと思います。

 

日本郵便にとっては大きな痛手

そして、次のグラフは年賀はがきの売上推移です。

年賀はがきの売上推移グラフ

年賀はがきの売上推移グラフ

発行した年賀はがきが完売したものとして計算した結果をグラフにしていますので、実際の売上とはやや異なると思いますが、ピーク時の売上が2,229億6,800万円だったのに対して、来年用の年賀はがきの売上は、909億5,000万円と半分以下になっています。

日本郵便の2023年3月期の経常収益は3兆4,612億円ですので、それと比べれば、年賀はがきの売上は微々たるものですが、それでも、1,000億円を超える減収は、日本郵便にとっては痛手だろうと思います。

 

年賀はがきといえば「プリントゴッコ

さて、そんな年賀はがきですが、自分が子どもの頃は、年賀はがきと言えばプリントゴッコでしたね。

プリントゴッコ(Print Gocco)は、昭和52年(1977年)に発売された個人向けの小型印刷機ですが、これで年賀状を印刷した思い出のある方もいらっしゃると思います。

当時は、年末になると文具売り場にプリントゴッコの特設コーナーができるくらいの人気ぶりでしたね。

江戸東京博物館に展示されていたプリントゴッコ

江戸東京博物館に展示されていたプリントゴッコ

 

遊び心のある年賀はがき

また、担当者のちょっとした遊び心なのかもしれませんが、年賀はがきの切手にあたる部分の図柄に、ちょっとしたストーリーがあるのですよね。

遊び心のある年賀はがきのデザイン

遊び心のある年賀はがきのデザイン

写真は、12年がかりでマフラーを完成させたヒツジと、12年後に子どもができたサルですが、こういった発想ができる人はすごいと思います。

 

お年玉付き年賀はがきについて

ちなみに、景品が当たるお年玉付き年賀はがきを考案したのは、郵政省ではなく、一般の方だったそうですね。

また、初のお年玉付き年賀はがきの景品は、特等がミシンだったそうです。当時のミシンは、月賦で購入しないと買えないくらい高価だったそうで、この景品は注目を集めたということです。

 

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