学生の頃に「5W1H」というものを教わりました。
先生いわく、「5W1Hは、伝えたいことを限られた文字数でわかりやすく伝えるためのもので、新聞記事がそうなっている」とのことでしたが、「新聞記事を読んで5W1Hを確認する」という宿題が出されたこともあり、今でもこのときの授業風景が記憶に残っています。
また、社会人になってからも、「正確かつ円滑なコミュニケーションのための5W1H」といった感じの研修があり、それもあって、何かを伝えるときには5W1Hを意識するようにしているのですが、「6項目はちょっと多いよなあ」と思うこともありますね。
確かに、「Who(誰が)」「What(何を)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」のすべてを揃えれば、満点に近い情報伝達にはなると思いますので、それが正しいとは思うのですが…
ただ、仕事の場合は、それに加えて「Whom(誰に)」や「How much(いくら/どのくらい)」という情報もありますので、このあたりまで加えるとすると、「6W1H」や「6W2H」になってしまうのですよね。
もちろん、正確な報連相(報告・連絡・相談)を求められているので、漏れの無いようにするわけですが、「簡潔」「わかりやすさ」といったことを考えると、ちょっと違うような気もします。
思い切って「2W1H」にしてみる
そこで、「5W1H」「6W1H」「6W2H」の中から、もっとも重要な構成要素を抜き出して、以下のように「2W1H」で要旨をまとめるようにもしています。
また、それを必要に応じて相手にも伝え、その上で、「5W1H」「6W1H」「7W1H」について確認してもらうようにしていますが、わりと好評です。
・「Who(誰が)」「What(何を)」「How(どのように)」
「○○が、○○の件について、○○のような対応をしました」
・「 What(何を)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」
「○○の件は、○○という理由から、○○のように対応しました」
・「Why(なぜ)」「What(何を)」「How(どのように)」
「○○という事情があるため、○○の件は、○○のような対応をお願いします」
・「When(いつ)」「Where(どこで)」「How(どのように)」
「○月○日に、○○において、○○を行います」
シンプル思考や問題解決にも役立つ「2W1H」
また、「2W1H」は、物事をシンプルに捉えたい場合にも役立ちますね。シンプル思考では、物事を細部まで見て、それを簡潔な言葉で置換えるということをしますが、そのときに使えるのが「2W1H」です。
そして、実際に「2W1H」を使う場合には、その中に必ず「Why(なぜ)」を入れるようにすると、問題解決に結びつくと思います。
「○○という問題は、○○が原因なので、○○のような対応をしよう」
といった感じで、「What=問題」「Why=原因」「How=対応」のように簡潔にまとめるわけですね。
最初は「What=問題」「Why=原因」の2つになりますが、原因からアイデアが思い浮かび、それが「How=対応」につながるわけです。
医師の診察を受けるときにも役立つ「2W1H」
また、具合の悪い時にお医者さんに診てもらう場合も、「2W1H」が役立ちます。
受診する際に、「When(いつ)」「Where(どこが)」「How(どのように)」の「2W1H」で伝えると、お医者さんとしては助かるそうです。
「いつ頃から、このあたりが、こんな感じで痛みます」
という感じで、具体的に説明するのが良さそうです。
六何の原則(ろっかのげんそく)
ちなみに、「5W1H」のことを教えてくれた先生によれば、「5W1H」には、「何時(いつ)」「何処(どこで)」「何人(なんびとが)」「何を」「何故に」「如何にして」という6つの「何」があるので、「六何の原則(ろっかのげんそく)」と言われているとのことでした。
昔の先生ですので、昔の言い方では…ということだったのかもしれませんね。もしかしたら、その先生が子どもの頃は、学校でそのように教えていたのかも…