「人を嫌ってはいけない」「人に嫌われたくない」
多くの人がそう感じていると思いますが、人間にとっての「嫌い」は自然な感情ですので、そういったことを過度に気にすると、対人関係に多くのエネルギーを奪われることになりかねません。
また、人は、相手が自分の期待通りに反応してくれると相手のことを好きになり、逆に、期待通りに反応してくれないと相手のことを嫌いになりますが、それは同時に、相手に対して興味や関心を持っているということでもあります。
そのため、相手に対する興味や関心が強くなればなるほど、逆に相手に振り回されてしまうことになり、それに多くのエネルギーが必要になるので、疲れを感じてしまうことがあるわけですね。
もちろん、自分にとってエネルギーを注ぎたい相手であれば、それでも良いのかもしれませんが、もしそうでないなら、相手に対する興味や関心が薄らぐようにすると、疲れを感じることも少なくなると思います。
嫌われたくないという心理
「人を嫌いになる」ということが、「相手に対して興味や関心を持っている」ということであるのと同様に、「人に嫌われたくない」ということは、「自分に興味や関心を持ってほしい」ということでもあります。
そのため、相手に対する興味や関心が強くなればなるほど多くのエネルギーが必要になるのと同様に、「自分に興味や関心を持ってほしい」という思いが強くなればなるほど、より多くのエネルギーが必要になってしまうのですね。
また、そういった日々が続くと、疲れを感じやすくなりますし、気持ちも不安定になりがちですが、それはまた、対人関係に「無駄なエネルギーを使っている」ということでもあるわけです。
嫌われてもよいと考える
そういった状況になったら、積極的に嫌われる必要はありませんが、他人から嫌われてもよいと考えてみてはどうでしょうか。
そう考えるだけで、ストレスも軽減され、自己肯定感も向上すると思いますし、今とは違った人間関係にも関心が向くようにもなり、それにより視野も広がってくると思います。
また、周囲からの視線が気になることも少しずつ減ってくると思いますので、より自分らしく行動できるようにもなると思います。
◇ 居心地の良いポジションを探す ◇
あるいは、無駄なエネルギーを注ぐ必要のない居心地の良いポジションを探してみるのも良いかもしれません。
周囲の人が自分に興味や関心を持たない、自分が目立つことのないポジションを見つけて、そこにひっそりと佇むようにすると、心配事に振り回されることも少なくなってくると思います。
そして、周囲の人から興味や関心を持ってほしいときだけ、自分が目立つポジションに移るようにすれば良いと思います。
自分らしい生き方を追求する
「周囲から認めてもらいたい」「周囲に受け入れられたい」といった承認欲求は、誰もが持っていると思いますし、そうした承認欲求から、人は「孤立してしまうのではないか」という恐怖を感じるのだろうと思います。
また、程度の差こそあれ、誰もが「完璧でありたい」という願望も持っていると思いますが、そうした完璧主義と、孤立の恐怖とが重なったときに、対人関係のエネルギーの消費量が増えてしまうのではないでしょうか。
そういった場合は、周囲の評価にとらわれすぎず、それでいながら人間関係を良好に保つ必要があると思いますが、その手法の一つが、「他人から嫌われてもよい」という考え方だと思います。
この考え方は、決して他人を蔑ろにするという考え方ではなく、むしろ、自分自身を大切にし、自分らしい生き方を追求するための考え方ですので、時にはそういった考え方をしてみるのも良いと思いますね。