辰巳天井、午尻下がり

相場の世界には、「辰巳天井、午尻下がり…」という干支にまつわる格言があるそうですが、格言の通りに値動きするとしたら、この先、日経平均株価は下落しそうですね。

 

相場の格言

相場の世界には、「辰巳天井、午尻下がり、未辛抱、申酉騒ぐ、戌は笑い、亥固まる、子は繁栄、丑はつまずき、寅千里を走り、卯は跳ねる」という、干支ごとの相場の展開を言い表した格言があるそうです。

意味合いとしては、「相場は辰年や巳年に高値をつけたのち、午年には下落する」「未年で辛抱したのち、申年や酉年は値動きが激しくなる」「戌年は良い相場で、亥年は落ち着いた値動きになる」「子年は上昇相場になるが、丑年でつまずく」「寅年は荒れた相場になり、卯年に相場は上昇する」といった感じのようですね。

ただ、この格言は、あくまでも先人の経験則をまとめたもので、何か論拠があるというわけではなく、また、江戸時代の米相場に由来したものらしいので、これを鵜呑みにして株式投資をするのは避けたほうが良さそうです…

 

格言と日経平均株価関係

が、過去の日経平均株価の値動きを見てみると、格言に近い動きがないわけでもないので、この格言を侮るのも良くないような気もします。

日経平均株価の推移 (年次チャート)

日経平均株価の推移 (年次チャート)

上の図は、1949年から2024年までの日経平均株価の年次データを使って作成した株価チャートですが、この図をよく見ると、「辰巳天井、午尻下がり」になっている部分が二か所あります。(データは日経平均プロフィルというサイトから引用)

一つは、バブル崩壊前の1989年(巳年)に高値をつけた日経平均株価が、翌1990年(午年)に大幅に下落している部分で、ここはまさに、「辰巳天井、午尻下がり」という格言通りの値動きになっていますね。

また、もう一つは、ITバブル崩壊前の2000年(辰年)、2001年(巳年)、2002年(午年)に、3年連続で日経平均株価が下落している部分ですが、2000年(辰年)が高値で、2002年(午年)が下落なので、これも「辰巳天井、午尻下がり」と言って良いと思います…

といった値動きのあと、2024年(辰年)に日経平均株価が最高値を更新して2025年(巳年)を迎えたわけですが、今回も「辰巳天井、午尻下がり」となるのか、天井を突き抜けて最高値をさらに更新するのかは気になるところです。

個人的には、2023年(卯年)と2024年(辰年)の株価チャートが、1998年(辰年)と1989年(巳年)のそれとよく似ているので、1990年(午年)ほどではないにしても、この先、日経平均株価は下落するのではないかと思っています。

格言や株価チャートの形状とは別に、国内では「政局の不透明感」「2025年問題」。海外では「地政学的リスクの高まり」「トランプ氏の大統領就任」「中国のデフレリスク」といった不安定要因もありますからね。

また、「子は繁栄」の2008年(子年)に日経平均株価が大きく下落しているのは、リーマンショックの影響によるものですが、こういったことが再び起これば、日経平均株価も大きく下落するでしょうね。

 

干支と日経平均株価の関係

あと、せっかくなので、干支と日経平均株価の関係も見てみました。

干支と日経平均株価の関係

干支と日経平均株価の関係

この表は、各年の日経平均株価の騰落率(年の始めと終わりで株価がどれだけ変化したか)を一覧にしたもので、日経平均株価が上昇した年を赤色。下落した年を青色にしてありますが、これを見ると、「寅年」はあまり良くない年に感じますね。

 

また、次の表は、騰落率が10%超の年を赤色。-10%超の年を青色としたものですが、これを見ると、「丑年」もあまり良くない年に思えます。

干支と日経平均株価の関係 (10%基準)

干支と日経平均株価の関係 (10%基準)

逆に、「子年」「卯年」「辰年」「亥年」は、良さそうな年に感じますね。

 

そして、次の二つの表は、騰落率が20%超の年を赤色。-20%超の年を青色とした図と、同じく、騰落率が30%超の年を赤色。-30%超の年を青色とした図です。

干支と日経平均株価の関係 (20%基準)

干支と日経平均株価の関係 (20%基準)

干支と日経平均株価の関係 (30%基準)

干支と日経平均株価の関係 (30%基準)

これらからすると、格言にある「卯は跳ねる」は、わりと当たっているような気がしますね。