親切心からアドバイスするということは誰にでもあると思いますが、タイミングや伝え方によっては、ありがた迷惑と受け取られてしまうこともありますよね。
たとえ善意からの一言であっても、思ったことをストレートに口にするのは控えたほうが良さそうですし、場合によっては、口に出さない方が良いかもしれません。
また、何気なく口にした一言が、後になって自分に重くのしかかってくることもありますので、こうしたところも気をつけたほうが良いでしょうね。
他人に意見したくなるのは人情
困っている人や失敗しそうな人にアドバイスしたくなるのは人情ですよね。「見過ごせない」とか「役に立ちたい」といった感覚は、優しさや思いやりの表れだろうと思います。
ただ、その一方で、人は自分の過去の選択が正しかったと思いがちなので、無意識のうちに、自分と同じ価値観や方法を他人に勧めてしまうのですよね。
なので、相手が自分と同じ価値観の場合は、アドバイスしたことを感謝されるのですが、そうでない場合は、「余計なお世話」といった反応をされてしまうわけです。
また、人はある程度の年齢になると、最近の記憶よりも若いときの記憶のほうが鮮明に思い出されたり、思ったことをストレートに口に出してしまったりして、それが悪く作用することもあるので注意が必要です。
こうしたことは、加齢によるものなので避けづらいのですが、気をつけていないと、若い人たちから「時代遅れ」とか「老害」などと言われてしまうことにもなりかねません。
少なくとも、「昔はこうだった」とか「こうするべきだ」といった言い方は、避けたほうが良いでしょうね。
言葉は一人歩きする
また、言葉は口に出した瞬間から一人歩きするものですので、そのあたりも気をつけたほうが良いと思います。
口に出したことは、人から人に伝わるうちに少しずつ内容が変わりますし、誰にどう伝わるかもわかりませんし、自分でコントロールすることもできませんからね。
「そんなつもりで言ったわけではない」と思ったときには、「時すでに遅し」なのです。
多くの人は、話しを聞くときには、単純化したり解釈を付け加えたりしますし、誰かに話すときには、脚色したり言い換えたりしますからね。
こんなことが、人から人に伝わるときに繰り返されるので、元の話しから大きくズレてしまうこともあるわけです。
また、悪意のある人が途中にいると、そんなことを意図的にされることもありますからね。まさに口は禍の元です。
信頼は思ったより脆い
また、「信頼しているから話す」という前提も、脆く危うい場合がありますので、大切なことや繊細な内容は、他人に預けないほうが無難だろうと思います。
「気を許せる相手だから」といった軽い気持ちで口にしたことが、後になって自分に重くのしかかかってくることもありますからね。
特に気をつけるべきは、悩み事を相談されたときではないかと思います。相手の心の一部を預かるくらいの気持ちで対応しないと、信頼を失うことになるかもしれません。
言いたい気持ちを抑えることも必要
ということなので、場合によっては、言いたい気持ちを抑えることも必要ではないかと思いますね。
言いたい気持ちのピークは長くても6秒程度らしいので、「言いたくなったら6秒待つ」ということを習慣にしてみるのも良さそうですし、自分の問題でなければ口に出さないということにしても良いかもしれません。
また、人によっては、単に話しを聞いてもらいたいだけで、アドバイスは求めていないということもあるので、相手から求められない限り、聞き役に徹するほうが無難かもしれません。
いずれにしても、自分の思いや考えを口に出すときには、相手と言葉は慎重に選んだほうが良さそうです。