「自民党の歴史の中で3年以上総理を務めた例は7人しかいねえ」
自民党最高顧問の麻生太郎氏が、総裁選を終えた高市早苗氏にそんな言葉をかけたという報道が少し前にありましたが、確かに、内閣総理大臣を3年以上務めた方は数少ない存在でしょうね。
首相官邸のサイトに歴代内閣の紹介がありますが、初代内閣総理大臣の伊藤博文氏から、第101代内閣総理大臣の岸田文雄氏までの64人(延べ101人)の内閣総理大臣のうち、在職日数が3年以上の方は、わずか12人しかいません。
また、麻生氏の言う通り、1955年の自由民主党結党以降で3年以上内閣総理大臣を務めた方は、岸信介氏以降のわずか7人です。
内閣総理大臣を3年以上務めた方
山縣 有朋 1,210日 (第3代、9代)
伊藤 博文 2,720日 (初代、5代、7代、10代)
西園寺 公望 1,400日 (第12代、14代)
桂 太郎 2,886日 (第11代、13代、15代)
吉田 茂 2,619日 (第45代、48代、49代、50代、51代)
岸 信介 1,242日 (第56代、57代)
池田 勇人 1,577日 (第58代、59代、60代)
佐藤 榮作 2,800日 (第61代、62代、63代)
中曽根 康弘 1,808日 (第71代、72代、73代)
小泉 純一郎 1,982日 (第87代、88代、89代)
安倍 晋三 3,190日 (第90代、96代、97代、98代)
岸田 文雄 1,095日 (第100代、101代)
※代別の在職日数を合計した日数です
(首相官邸のサイトにある通算在職日数とは異なります)
在職日数のデータ
平均値:790.98日
中央値:604日
・1年以下(1~365日):21人
東久邇宮 稔彦王、羽田 孜、石橋 湛山、宇野 宗佑、林 銑十郎、
鈴木 貫太郎、阿部 信行、犬養 毅、清浦 奎吾、米内 光政、
高橋 是清、芦田 均、幣原 喜重郎、平沼 騏一郎、小磯 國昭、
細川 護煕、鳩山 由紀夫、片山 哲、廣田 弘毅、麻生 太郎、
福田 康夫
・1年超2年以下(366~730日):18人
菅 義偉、森 喜朗、加藤 友三郎、菅 直人、野田 佳彦、
黑田 清隆、山本 權兵衞、大平 正芳、村山 富市、竹下 登、
加藤 高明、岡田 啓介、小渕 恵三、宮澤 喜一、濱口 雄幸、
若槻 禮次郎、福田 赳夫、寺内 正毅
・2年超3年以下(731~1095日):13人
三木 武夫、鳩山 一郎、齋藤 實、田中 義一、海部 俊樹、
鈴木 善幸、田中 角榮、橋本 龍太郎、松方 正義、東條 英機、
近衞 文麿、大隈 重信、岸田 文雄
・3年超(1096日~):12人
原 敬、山縣 有朋、岸 信介、西園寺 公望、池田 勇人、
中曽根 康弘、小泉 純一郎、吉田 茂、伊藤 博文、佐藤 榮作、
桂 太郎、安倍 晋三
さて、せっかくですので、歴代内閣総理大臣の在職日数をランキング形式でまとめておこうと思います。
また、最後に、個人的に印象に残っている内閣総理大臣もランキング形式でまとめてみました。
内閣総理大臣の在職日数 上位10人
第1位 安倍 晋三 3,190日 (第90代、96代、97代、98代)
第2位 桂 太郎 2,886日 (第11代、13代、15代)
第3位 佐藤 榮作 2,800日 (第61代、62代、63代)
第4位 伊藤 博文 2,720日 (初代、5代、7代、10代)
第5位 吉田 茂 2,619日 (第45代、48代、49代、50代、51代)
第6位 小泉 純一郎 1,982日 (第87代、88代、89代)
第7位 中曽根 康弘 1,808日 (第71代、72代、73代)
第8位 池田 勇人 1,577日 (第58代、59代、60代)
第9位 西園寺 公望 1,400日 (第12代、14代)
第10位 岸 信介 1,242日 (第56代、57代)
やはり、安倍晋三氏がダントツの一位ですね。これだけ長期の在職日数の内閣総理大臣は、最初で最後のような気もします。
また、安倍さんと岸田さん以外では、小泉さんと中曽根さんくらいしか印象に残っていませんね。強いて言えば、昔の1,000円札の肖像画が伊藤博文氏だったのが印象に残っているくらいです。
年齢的には、佐藤榮作氏が記憶に残っていても良さそうなのですが、佐藤氏よりも、その一人あとの田中角栄氏のほうが記憶に残っています。
内閣総理大臣の在職日数 下位10人
第64位 東久邇宮 稔彦王 54日 (第43代)
第63位 羽田 孜 64日 (第80代)
第62位 石橋 湛山 65日 (第55代)
第61位 宇野 宗佑 69日 (第75代)
第60位 林 銑十郎 123日 (第33代)
第59位 鈴木 貫太郎 133日 (第42代)
第58位 阿部 信行 140日 (第36代)
第57位 犬養 毅 156日 (第29代)
第56位 清浦 奎吾 157日 (第23代)
第55位 米内 光政 189日 (第37代)
第64位の東久邇宮稔彦王(ひがしくにのみや なるひこおう)は、先の大戦後、終戦処理内閣として内閣総理大臣に就任し、憲政史上唯一の皇族内閣を組閣した人物です。
また、第63位の羽田孜氏については、半袖のスーツ姿が印象に残っています。今でいうクールビズで、確か当時は、省エネルギールックと言っていたような気がしますが、流行せずに終わってしまいましたね。
そして、第61位の宇野宗佑氏は、平成に入って最初の内閣総理大臣でしたが、就任直後に週刊誌報道で騒がれ、その後の参議院議員選挙に惨敗したことで引責辞任したのが印象に残っています。
印象に残っている内閣総理大臣 ベスト5
第1位 安倍 晋三 (第90代、96代、97代、98代)
第2位 小泉 純一郎 (第87代、88代、89代)
第3位 田中 角榮 (第64代、65代)
第4位 大平 正芳 (第68代、69代)
第5位 中曽根 康弘 (第71代、72代、73代)
個人的には、安倍晋三氏が一番印象に残っています。ご存命であれば、今のような自民党にはなっていなかったかもしれませんね。
また、小泉純一郎氏も濃いキャラクターの内閣総理大臣として印象に残っています。マスコミからは変人と呼ばれていましたが、変人を超えるものがあったような気がしますね。
そして、田中角榮氏と言えばロッキード事件が思い浮かびますが、多くの人をとりこにしてしまう人という意味での、人たらしとしてのエピソードが印象に残っています。
また、大平正芳氏については、「あー、うー」という独特の答弁が話題になっていましたよね。「あー、うー」の部分を除くと、わりとしっかりとした答弁だったと思います。
そして、中曽根康弘氏については、右寄りの思想の持主としてマスコミからかなり叩かれていた印象がありますが、それでも在職日数が長かったのはすごいと思いますね。