「経歴は立派なのに…」
たまに耳にすることがある言葉ですが、どちらかと言えばネガティブな表現ですよね。
名門大学を出て、難関と言われている資格試験にも合格して、一流と言われている会社に就職して…といった華麗な経歴の持ち主なのに、それに見合う活躍が無い…といった場合に使われるのが、この言葉だと思います。
経歴が立派な人は優秀な人
もちろん、活躍していないというだけで、その人の能力は非常に高いと思いますけどね。経歴が立派な人は、間違いなく「地頭が良い」「頭の回転が速い」優秀な人だと思います。
また、その中でも複数の資格を持っているような人は、自ら進んで学習するタイプでしょうね。優秀な人の中の優秀な人という印象があります。
経歴に見合う経験
ただ、それなのにそういう評価を受けるということは、恐らく、その人は経歴に見合う経験をしていないのだろうと思います。
違った言い方をすると、これまで学習してきたことを活かしきれていないということかもしれませんね。
また、仮にその通りだとしたら、優秀な人は、学んだことの活かし方がわからないのかもしれません。
経歴と経験の違い
さて、そんな経歴と経験ですが、それぞれの言葉を辞書で引くと、「経歴:今まで経験してきた事柄」「経験:実際に見たり、聞いたり、行ったりすること。また、それによって得られた知識や技能など」と出てきます。
経歴も経験も、似たような意味ですね。
2つの言葉に違いがあるとすれば、経歴は経験の集合体であるということだろうと思いますが、ここで問題なのは、集合体である経歴に含まれる「経験の質」ではないかと思います。
3種類の経験
一口に経験と言っても、それには3種類があって、どの経験の持ち主かによって、その人の評価が違ってくるような気がします。
1.するだけの経験
「とりあえず言われたことはやりました」といった場合が、これに当たると思います。こういう経験しかないと、「言われたらやる人」という評価になりそうですね。
2.知るための経験
学校の勉強がそうだと思いますが、主に知識を得ることを目的とした経験がこれに当たると思います。得た知識をうまく組み合わることができれば、「そこそこ応用のきく人」といった評価は得られそうです。
3.わかるための経験
今までに得た知識を駆使し、試行錯誤を繰り返すことによって、未経験のことにも対応できるようにすることを目的とした経験がこれに当たると思います。こうした経験は、高く評価されると思います。
経歴に見合う活躍をするには
そして、これら3種類の経験のうち、もっとも重要なものは「わかるための経験」でしょうね。
よく、「知ること」と「わかること」には大きな違いがあると言いますが、「経歴は立派なのに…」と言われる人は、「知っている人」であって、「わかっている人」ではないのかもしれません。
また、仮にその通りであれば、「わかる」にはどうすれば良いのかが重要になると思いますが、それは恐らく、自分が「やりたいこと」「実現したいこと」を意識し、それに向かって行動することではないかと思います。
「やりたいことがわからないまま立ち止まっている人」よりも、「やりたいことに向かって進んでいる人」のほうが、大成する可能性も高いでしょうからね。
優秀な人も苦悩しているのかも
ただ、こうしたことを誰よりも理解しているのは、もしかしたら優秀な人かもしれませんね。
地頭が良く、頭の回転も速いだけに、自分が進むべき方向が見えないということもあるような気がしますし、それを模索した結果が、難関と言われる資格の取得だったということもありそうです。
また、そう考えると、優秀な人よりも、地頭はそこそこでも何かに向かって我武者羅に行動している人のほうが強いかもしれませんね。