人生の最期に後悔すること

人生の最期を意識するような年齢になったこともあって、「人生の最期に後悔すること」みたいな記事を見かけると、ついつい読んでしまうのですが、身につまされる話しが多いですね。

 

人は人生の最期に何を後悔するのか

よく、人の数だけ人生があると言いますが、そういった記事を読んでいると、本当にその通りだなあと思います。

また、それと同様、人生の最期に後悔することも様々なわけですが、そのうち、大きな後悔のもとになるようなことは、概ね次の二つに集約できるのではないかと思います。

やりたいことをやらなかったこと

「もう少し旅行に行っておけば良かった」「もう少し趣味に時間を割いておけば良かった」といったものから、「あのとき転職しておけば良かった」「あのとき起業していれば良かった」といったものまで、様々なものがありますが、それらを一言で表現すれば、「我慢したり躊躇したことで行動に移せなかったこと」ではないかと思います。

また、内容によっては、「夢が叶えられなかったこと」といった表現のほうが適当かもしれませんね。

自分の気持ちを伝えられなかったこと

「お世話になった人に感謝の気持ちを伝えられなかった」「初恋の相手に告白できなかった」「愛する人にありがとうを言えなかった」など、様々なものがありますが、これらを一言で表現するとしたら、「躊躇したことで行動に移せなかったこと」かもしれませんね。

以心伝心という言葉がありますが、言葉にしなくても伝わるだろうといった日本人の感覚もあってのことではないかと思います。

また、特にご夫婦や恋人同士の間で多いように感じますが、気持ちを伝える前に相手に先立たれてしまったような場合には、悔やんでも悔やみきれないくらいの後悔になる場合もあるようです。

 

我慢や躊躇は良くないが…

まあ、どちらの後悔も、「行動に移せなかったこと」が原因ですので、そういった後悔をしないためには行動するしかないわけですが、「運命の女神は果敢に行動する人間に味方する」とは言うものの、実際には難しいですよね。

例えば、「行きたいところに旅行する」といっても、近場ならともかく、遠方となれば金銭的な問題や時間的な問題も出てきますので、そう簡単にはいかないと思います。

また、「起業」や「転職」などの収入に関わることであれば、躊躇して当然だろうと思いますし、家族を養っている立場であれば、断念せざるを得ない場合が多いだろうと思いますので、これも簡単にはいかないと思います。

「一度きりの人生なのに我慢して良いのか」と言うのは簡単ですが、「思ったように自由に生きられるほど人生は甘くない」というのが現実でしょう。

もちろん、「我慢して生きる」よりも「自由に生きる」ほうが良いのは間違いないですが、みんな何かしらの我慢をして生きていると思います。

 

人生は思い通りにならない

このように、人の人生というのは「思い通りにはならない」ものなのだろうと思いますし、そういう中で何とか「やりくり」するのが人生ではないかという気がします。

まあ、ストレートに表現すれば、「人生には妥協も必要」ということですね。

もちろん、「理想」はあったほうが良いと思いますよ。

ただ、「理想」と「現実」は違うわけで、どこかで妥協しないと、それはそれでストレスになってしまうと思いますし、そういったことが積み重なった結果が、人生最期の後悔ではないかという気がします。

 

夢のままで終わっても良い

また、人生には「夢」もあったほうが良いと思いますが、夢は必ず持たないといけないものではないと思いますし、必ず叶えないといけないものでもないと思いますね。

「何か夢が見つかったらいいな」「その夢が叶ったら幸せだろうなあ」というくらいのほうが、幸福感を得やすいかもしれませんし…

もちろん、明確な夢を持って、その夢に向かって歩き続けるというのも良いとは思いますが、その場合でも、夢に縛られないようにはしたほうが良いでしょうね。

人生のすべてが夢のためにあるというくらい夢にのめり込んでしまうのは、必ずしも幸せなことではないと思います。

 

忘れることも大切

また、夢を叶えられなかったとしても、それを後悔するのではなく、「言われてみれば、そんな夢もあったかもしれないなあ」くらいで語れるくらいになったほうが幸せではないかと思いますね。

人生には、「忘れる」ことも必要だろうと思いますし、それができるのも人間の能力の一つだろうと思いますよ。

忘れることができれば、たとえ辛いことがあっても、時間の経過とともにその記憶が薄らいでいき、それに合わせて少しずつ良い方向に進むことができるでしょうからね。

そんな便利な能力を使わないのはもったいないと思います。

 

今を楽しむことも大切

また、日本が災害の多い国だからかもしれませんが、将来に不安を感じる日本人が多いような気がしますね。

もちろん、不安がまったくないというのも問題ですが、将来への強い不安感が、現状への不満や過去への後悔につながっているような気もしますので、もう少し目の前のことを楽しめるようになったほうが良いのではないかと思います。

将来のことは誰にもわかりません。そんな分からないことをあれこれと心配するよりも、今を楽しむためにはどうしたら良いのかを考えるほうが、幸せに生きられるような気がします。

そして、そんな生き方ができれば、人生の最期になって後悔することも無くなるのではないでしょうか。